シナリオ名《隠し宿》



1.KPさまへ

これは「クトゥルフ神話TRPG」のシナリオです。舞台は新潟県の田舎にある架空の宿に設定しています。

クトゥルフ要素の薄いSAN回復シナリオです。親しい探索者同士でRPをして遊ぶのに向いていると思います。

ご使用、ご改変、動画化はご自由にどうぞ。太字の部分が基本的に読み上げる、またはテキストで貼る部分です。



2.事前情報

舞台:現代日本

形式:クローズド

推奨技能:母国語(日本語)

推奨人数:2〜3人程度

発狂/不定/ロスト:なし

時間:ボイスセッションで3時間程度

参考資料:マスコット/見取り図/資料



3.シナリオの概要

 新潟県の宿『提灯庵』に泊まりに来た探索者たち。この宿にはいくつかの売りがあり、不思議な伝説もその一つである。この宿の離れは昔「隠し宿」と呼ばれており、心を持ってお客を留めようとしたらしい。

 とは言え、伝説は伝説。探索者たちはゆったりと羽を伸ばし、温泉で日頃の疲れを癒すことだろう。お土産を買い、料理に舌鼓を打ち、広縁で語り合い、個室のある離れで就寝する。

 翌朝目覚めると、母屋に続く吊り橋が忽然と消えていた。探索者たちは朝食にありつくため、そして忙しない日常に帰るために離れを探索する。



4.背景

 江戸時代に建てられた『提灯庵』の離れは、長い年月を経て付喪神となった。心を持って山奥に佇むのも寂しいもので、お客を引き留めようといたずらをし始めた。度々起こる不思議な現象から、庵は「隠し宿」と呼ばれるようになった。

 その当時庵に滞在していたのが作家の林蒐一郎と、画家の国吉水月である。庵を通じて親交を結んだ二人は、様々な文献を漁って対策を練った。文献の中には海外の魔道書も混ざっていた。そして保護の呪文をかけた人形を作って置いたところ、不思議な現象は起きなくなった。

 更に時は流れて現代。母屋が建て増しされ、離れとなった「隠し宿」の呼び名は伝説とともに薄れている。人形にかけられた呪文はねずみの害に遭い、すっかり消え失せていた。人形本体もばらばらになって部屋の四方に散らばってしまった。もしかしたらただのねずみでなく、主人を失った意地の悪いネズミ怪物の仕業かもしれない。

 身代わりの人形を失った庵は再び寂しさを持て余し、探索者たちを引き留めようとするのだった。



5.NPC …シナリオ内で著名な故人として名前が挙がる架空の人物。他の重要でないNPCはシナリオ内に記載。

・国吉 水月(くによし すいげつ):明治27生まれ、昭和没。大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家。日本の原風景を写実的かつ細密に描写した。絵画が好きな探索者なら名前を知っているかもしれない。晩年を『提灯庵』で過ごしていた。



・林 蒐一郎(はやし しゅういちろう):明治32年生まれ、昭和没。大正から昭和の戦後にかけて活躍した小説家。日本の美や恋愛を叙情的に綴った。日本人ならば誰しも知っている文豪。海外でも有名。一時期『提灯庵』に滞在しており、その際に国吉と親交を結んだ。



6.シナリオ本編

《導入》

あなたがたは新潟の宿「提灯庵」に泊まりに来ました。この宿にはいくつかの売りがあります。

一つは温泉。

一つは宿が歴史深く美しいこと。

一つは豊かな自然が一望できること。

一つは地場産の食材を使った食事の美味しさ。

一つは独自のお土産品の充実。

一つは有名な文豪や画家がこの宿を愛して通っていたこと。

そして最後の一つは、不思議な伝説があること。



現在は夕刻です。観光を終えたあなたがたは山のふもとにある提灯庵に到着しました。

玄関には宿の名前に違わず大きな赤い提灯が下がっており、家紋が染め抜かれています。また所々に小さな白い提灯が飾られています。すでに灯りがつき始めており、墨色の木造建築と相まって妖しくも美しい雰囲気を醸しています。

母屋には温泉、休憩所、お土産屋があり、宿泊をする個室は離れにあります。離れには川の上にかかった吊り橋を渡って行く仕様です。夕食の時間は二、三時間後です。

中に入ると品のいい女将が出迎え、離れに案内してくれます。



KPへ:二日目の朝までは基本的に自由行動となります。<離れに荷物を置く→温泉/お土産屋/休憩所に行く→夕食→寝る→二日目>という流れになることが多いでしょう。

休憩所は広々とした畳のスペースで、宿泊客以外にも開放されています。夜になると一般客はいません。お酒や食事を注文できる程度で、特筆すべき物はありません。夕食は離れか休憩所でとることができます。



《離れ》

点々と橙色の灯りが灯された吊り橋の向こうに離れが見えます。はるか下の暗がりで清流の音が聴こえています。離れは母屋よりも小さく、とても古いもののようです。

部屋は広々としており、畳のいい香りがします。広縁(ひろえん)からは青々と茂った木々や岩を流れる清水、そして美しい茜空が見えます。時代のついたテーブルにはお茶やお饅頭が乗っています。



◯夕食の描写例

春:彩り豊かで上品な和食です。キスやタラの芽の天ぷら、ヤマメの塩焼き、さざえのつぼ焼き、ぜんまいの佃煮や、ウドのお浸しなどが並んでいます。

夏:彩り豊かで上品な和食です。夏野菜の天ぷら、アユの塩焼き、すずきやいさきのお造り、ナスのお浸し、くずきりなどが並んでいます。

秋:彩り豊かで上品な和食です。里芋やかぼちゃの天ぷら、サンマの塩焼き、きのこご飯、銀杏の塩炒りや、栗の渋皮煮などが並んでいます。

冬:彩り豊かで上品な和食です。ワカサギの天ぷら、ヒラメの塩焼き、生牡蠣、ふろふき大根や、湯気の立ち上る豚汁などが並んでいます。



◯水月の部屋

離れには個室の他にも自由に見ることができる場所があります。晩年の国吉水月が泊まっていた部屋を保管、一部再現したもののようで、彼の愛用品がガラスケースに収められています。

説明書きを見てみると、この部屋にある家具は実際に水月が使っていたものだそうです。艶のある木のテーブルや色あせた椅子、年季の入った本棚が時を忘れたように佇んでいます。

ガラスケースの中には万年筆や画材、裁縫道具が並んでいます。本棚には林蒐一郎の本が揃えてあり、「ご自由にお読み下さい」と書いてあります。

KPへ:上記の「水月の部屋」については、PLが後述のパンフレットなどでNPCのことを知った上で、「離れには他に何かないのか」「何もすることがない」などの発言が出た際に軽く紹介して下さい。人形は見当たりません。女将に聞くと「大切な物なので保管してある」と答えます。「水鏡」は探せばすぐに見つかります。本の内容はページ下部の《水月の部屋の探索》参照。



《温泉》

大浴場までは外に面した長い廊下が続いており、水に映る宿や提灯の明かりが幻想的です。大浴場にはひのきの香りが立ち込め、濁った翡翠色のお湯がたゆたっています。

本日の変わり湯は紫陽花です。紫陽花の花びらが湯船いっぱいに浮かんでいます。露天風呂や塩サウナもついています。

KPへ:探索者が男女の場合、露天風呂は混浴にした方が処理が楽かと思います。その際は濁ったお湯と湯気とで都合よく姿が隠されます。変わり湯は季節に合わせて変えると風情が出るでしょう。それぞれの湯の効能は肩こり、肌荒れ、リューマチなど、ごく一般的なものです。

ここでのイベントは露天風呂にしかないので、モブの温泉客を使って誘導してもいいでしょう。今夜の宿泊客は探索者以外にいないので注意して下さい。



◯露天風呂

湯気がもうもうと立ち込める露天風呂です。高い垣根の向こうには宝石箱をひっくり返したような星空が広がっています。

温かいお湯に浸かって疲労をほぐしていると、一緒にお湯に浸かっていた女の子と男の子が話しかけてきます。どうやら双子の姉弟のようです。



二人同時に「(お姉さん/お兄さん)、手水鉄砲で勝負しようよ!(僕・私)上手いんだよ!」

女の子「私、花音!こいつ、信」

やり方を知らない→「教えてあげる!」

親御さんは?→「サウナに入ってる」

泊まりに来たの?→「ううん。お父さんとお母さんと温泉に入りに来た」

地元の子?→「そうだよ」



◯手水鉄砲勝負 (KPへ:探索者それぞれの成功回数とクリティカル回数を数えておいて下さい)

《DEX*5》で三回勝負。成功で数値が低いほど遠くに飛ばせる。一番遠くに飛ばした人が勝ち。

1.両手の指を閉じ、受け皿のように少し丸める。

2.それぞれの手のひらを重ねる。

3.隙間ができないように両手を組み、中に空洞を作って親指近くに穴を作る。

4.手を水中に沈ませて穴から水を入れ、水上に出した時に一気に手のひらを閉じて空洞を潰し、中に入っている水を押し出す。

※これは一例であり、他の飛ばし方もある。



・久保田 花音/くぼた かのん(8) 姉:DEX15 APP10 INT15

・久保田 信/くぼた しん(8) 弟:DEX15 APP10 INT12



探索者の勝ち:「悔しー!」「(お姉さん/お兄さん)上手いね」

探索者の負け:「もっと練習すれば上手くなるよ」「こいつ(信)ずっとできなかったもん」

勝負が終わる:二人は「じゃあね!」と言い、それぞれ男湯と女湯に分かれて去っていきます。



《お土産屋》

個人美術館のアートショップのような雰囲気で、売り場が大きく、力を注いでいることが一目でわかります。宿泊客以外にも買いに来ている人がいるようです。

様々なグッズの中でモチーフとしているのは提灯、宿の外観、この宿を愛用していたという画家の作品のようです。珍しさから支持されているであろう商品も見受けられます。

(→マスコット)



食べ物類

・提灯饅頭…提灯の形をしたお饅頭。色んな味がある。老舗菓子店と提携している。

・提灯煎餅…提灯の形をしたお煎餅。新潟産コシヒカリを使用している。秘伝の粉が癖になるらしい。老舗菓子店と提携している。

・提灯庵のご飯…レトルト・缶詰。海産物と山菜の新鮮な味がぎっしり。

・提灯庵のお茶…オリジナルブレンド。深みがありすっきりとした味わい。



◯雑貨

・ポストカード…図案化された宿/宿の写真/画家・国吉水月による宿の絵

・キーホルダー…宿/提灯/マスコットキャラクター「提灯くん」

・万年筆…文豪・林蒐一郎の愛用品を復刻したもの。レトロで使いやすい

・ハンカチ/手帳…図案化された宿/提灯柄/国吉水月による宿の絵

・フラットシューズ…宿の絵プリント、提灯チャーム付き/提灯柄

・ペンダント/ピアス…宿チャーム/提灯チャーム

・香り袋…春の明け方の香り/夏の夜の香り/秋の夕暮れの香り/冬の早朝の香り

・化粧品…宿デザインの和色アイパレット/提灯型の和色ネイル

・USBメモリー…宿/提灯/マスコットキャラクター「提灯くん」

・国吉水月の複製原画

他、パンフレット



《パンフレット》…写真つきで料理や女将が紹介されている。以下抜粋。

 提灯庵は創業150年の歴史を持ち、文豪の林蒐一郎や日本画家の大家である国吉水月からも愛されておりました。蒐一郎の有名な作品「水鏡」は当庵に滞在していた折に書かれたものです。作中の宿は当庵をモデルにしたと考えられています。水月は当庵やその周囲の自然を絵の題材にしており、晩年を当庵で過ごしていました。二人は当庵を通じて親交を結びました。

 当庵の離れは母屋より歴史が古く、江戸時代は役所として使われていました。宿に変わってからも人々に愛されて大切にされてきたため、いつしか宿が心を持ち、度々客を留めようとしたと言われています。母屋が作られるまでは、山に隠すように建っていることも含めて「隠し宿」と呼ばれておりました。

 人形作家でもあった水月は、宿のために心を込めて人形を作ったそうです。人形を置いてからは、宿に人が隠されることはなくなったといいます。



・国吉水月…絵画系の芸術技能がある場合は《知識》、ない場合は《知識の半分》に成功で知っている。大正から昭和初期にかけて活躍した日本画家。日本の原風景を写実的かつ細密に描写した。

・林蒐一郎…日本人ならば誰でも知っている。大正から昭和の戦後にかけて活躍した文豪。日本の美や恋愛を叙情的に綴った。



《隠し宿の謂れ》

さて翌朝。窓から明るい光が差し込み、小鳥の囀る声がします。昨日観光したためでしょうか、とてもお腹が空いています。しかし待てど暮らせど朝食が来ません。

《聞き耳》成功:離れの外、遠くの方から人の声がします。

外に出てみると、あなたがたは目を疑うでしょう。吊り橋が綺麗さっぱりなくなっているのです。崖の向こうで仲居さんたちが慌てています。

背後は険しい山なため、離れの周りから動くことができません。仲居さんは「お客さーん。大丈夫ですかー!」「どうにか、山側から回ってみますからー!そこから動かないで下さーい!」と叫んでいます。



→橋のあった所を調べる:切り落とされた様子も、撤去された様子もありません。まるで最初から何もなかったかのようにかき消えています。

このあり得ない現象と自然の中に閉じ込められた事実に《0/1の正気度喪失》です。

KPへ:仲居さんたちは「隠し宿」の話について、ただの伝説だと思っています。そのため探索者たちを部屋に待たせて、険しい山側から救助に向かおうとします。探索者が人形の場所を聞けば訝しがりながらも「水月の部屋にある」と教えてくれます。ちなみに他の部屋には何もありません。



《水月の部屋の探索》

八畳ほどの和洋室で、床の間に菖蒲の花が生けてあります。ガラスケースには水月の愛用品が保管されており、万年筆や画材、裁縫道具が並んでいます。

艶のある木のテーブルや色あせた椅子、年季の入った本棚が時を忘れたように佇んでいます。本棚には蒐一郎の本が揃えてあります。

部屋にあるもの:机と椅子/ガラスケース/本棚/床の間/違棚(ちがいだな)/畳/天袋/地袋 (→見取り図/資料)



→人形が見当たらないことに気づいていない場合

《アイデア》成功:水月が作った人形が展示されていてもおかしくないのに、ガラスケースの中にないことに気がつきます。



→「水鏡」を探す、もしくは《目星》:「水鏡」が見つかります。地方の宿に滞在した主人公の男性が仲居の女性に出会って恋をし、愛し合いながらも最後は別れる話です。パンフレットの通り、作中の宿の雰囲気は提灯庵の離れによく似ています。(※《知識》もしくは《幸運》成功や、職業などによって読んだことがあっても構わない)

→本の内容に《図書館》、読んだことがあれば《アイデア》成功:主人公が天袋に仲居への手紙を隠しておく場面が目に留まります(思い出します)。



◯天袋…かなり奥行きがある収納スペースです。埃を被った箱と、その上に置かれた黒皮の古い手帳が見つかります。



・手帳:黄ばんだ紙に達筆で縦書きの文章が綴られています。《母国語:日本語》成功で読むことができます。内容は簡単な手記のようです。

「此の庵での珍奇な出来事に関して国吉水月氏と対策を練る事一年余り、書物にて興味深い記述を見つける。人形に魔力を与へるといふ異教の術についてであり、聞くだに怖ろしく厭らしい。第一、我々の求めるものとあんまりにも違ふ。しかしたいへん面白いものも在つた。物を頑丈にする術のやうだ。物は試しだ、エイやつてやれと思ひ、書物の通りにした。効いてゐるのかわからない。

 此の庵が人に害を為すとは思へない。証拠に、いつも/\ほんの数日経つたら橋が戻つてゐる。別れを惜しむ我々の心を汲んでゐるのだらう。 蒐」(※/\は踊り字。蒐一郎の手記)



この手帳には折りたたんだ紙が挟まれています。そこには手記と同じ字で二つの呪文が書かれています。

一、「人形に魔力を与へる術」…1POWと1d4正気度をコストにする。効果ややり方などが詳しく書かれていないが、コストを消費して呪文を唱えることはできる。

二、「物質を保護する術」…1d4正気度と任意の値のMPをコストにする。消費したMP1ポイントにつき、呪文の使い手が選んだ物体(手作りの無生物に限る)に1d6ポイントの装甲を与える。装甲は対象がダメージを受けるたびにダメージと同じポイントだけ削られていく。装甲分のダメージを受けない限り呪文の効果は永久的に続く。



・箱:古びた箱です。色褪せた赤い紐がかけられており、隅に大穴が開いています。

中には小さな人形の首とボロボロになった布切れ、そして幾分かの綿が転がっていました。絵筆で描かれた顔は掠れており、手足は見当たりません。箱の隅にはごく小さい、黒い物がこびりついています。

《知識もしくは《アイデア》などに成功:黒い物はネズミのフンだとわかります。どうやら箱はネズミに齧られたようです。布切れは元は人形の胴体だったのでしょう。

KPへ:ガラスケースの中身を使って人形を修復することになります。手足パーツを見つけて顔を描き直し、胴体を補うのが主な解決法ですが、一から作っても構いません。足りない布はハンカチや枕カバーなどで補うことができます。

右手は天袋の更に奥、左手は本棚の下、右足は床の間に飾られた花瓶の後ろ、左足は地袋の中に落ちています。《目星》を使用するかはKPの好みに任せます。捜索が行き詰まった時は「天袋は奥行きがあったので、奥は暗くて見えなかった」「本棚は下にスペースがある」などと誘導してもいいと思います。

何もせずとも数日待てば橋は戻りますが、その頃にはお土産の食べ物はなくなり、お饅頭も食べ飽きるでしょう。救出を待った場合は探索者も山を越えなければなりません。



・ガラスケース:鍵がかけられておらず、二人がかりで持ち上げればケースを外せそうです。

20との《STR対抗ロール》成功で持ち上がる。失敗で持ち上がらず、ファンブルで落としてしまう。



◯人形を修復する:《制作:人形》《芸術:裁縫》などに成功すること。

手水鉄砲で遊んだ探索者は、一時的に手が繊細な感覚を掴めているため、制作や芸術に「10+(10×手水鉄砲に成功した回数)%」を加える。クリティカルは1回ごとに更に+10%を加える。

KPへ:「物質を保護する術」をかけなくても、人形を修復した時点で橋は元通りになります。そして探索者によって「天袋に戻す」「ガラスケースに入れて貰えるよう女将と交渉する」など、行動が違ってくると思いますので、適当なタイミングで《エンディング》に移って下さい。今回「人形に魔力を与へる術」は役立ちません。



《エンディング》

(人形を天袋に戻すと)「ありがとう」と誰かにお礼を言われたような、暖かい感覚に包まれます。不思議と胸の奥から心地よい安らぎが湧き上がってきます。

外に出てみると吊り橋が何事もなかったかのようにかかっていました。母屋の方から仲居さんが慌てて駆けてくるのが見えます。

あなたがたは無事朝食にありつき、不思議な思い出をお土産にして、この宿を後にすることでしょう。

「隠し宿」またのお越しをお待ちしております。



《報酬など》

◯SAN回復

宿を満喫した:1d6

人形に保護の呪文をかけた:1d3



「人形に魔力を与へる術(人形に魔力を付与する)」…基本ルールブックP286参照

物質を保護する術(物質の保護)」…基本ルールブックP275「肉体の保護」改変



7.付記

その場で思いついた内容をアドリブで回す遊びをしていた際に出来たシナリオです。

画家の作風は速水御舟、小説家の作風は川端康成をイメージしています。息抜きのデートや茶番にご活用頂ければ幸いです。



←戻 作者:うえ/(@ORC_ue)

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